微分を使って瞬間の速さを求めよう

今回は微分を使って瞬間の速さを求めてみましょう!

前回の記事ではこんなグラフが登場しました。

一定の加速度で加速している場合の距離と時間の関係です。

赤のグラフがx=2t2
青のグラフがx= (1/2) t2

グラフ上の矢印の傾きは、その時刻での速さだということをお話しましたね。

では実際にその速さを求めてみましょう。
グラフ上のある時刻での接線の傾きが分かれば、それがその時刻での速さです。

接線の傾きってどうやって求めるの?
ここで登場するのが「微分」という演算です。

というわけで一緒に微分をやっていきましょう!

今回は青いグラフx= (1/2) t2を微分してみることにします。

まずは青いグラフに注目。
0秒~1秒で0.5m進んでいますね(座標A)。
0秒~2秒では2m進んでいます (座標B) 。

この2つの点ABを結んだのが緑の直線です。
この直線の傾きがまさに0.5m地点~2m地点までの間の平均の速さです。

これは中学数学の知識で求められますね。
座標A(1,0.5)とB(2,2)を結ぶ直線の式を求めればいのです。

するとx=3/2t-1が求まります。
この傾き3/2こそが平均の速さです。
3/2=1.5[m/s]ということです。
(計算しなくてもグラフ見れば分かるけどね)

そして、この座標BをAの方にどんどん近付けていくとどうなるでしょう。
緑の直線の傾きはだんだん小さくなっていって、最終的にBとAが合体すると緑の直線はオレンジの直線に重なります。

このオレンジ色の直線の傾きこそが0.5m地点(t=1)での瞬間の速さということになります。

このように、近付けていく操作を「微分」といい、このオレンジのグラフの傾きを「t=1での微分係数」といいます。

ということは、微分係数を求める=接線の傾き(ここでは瞬間の速さ)を求めるということですね。

はやく微分係数を求めたくてウズウズしてきましたね!え、別に求めたくないって…?そんなこと言わずに~

さて、地点AB間の速さを求める式を思い出しましょう!

さっきは傾きで求めたけど、そもそも速さは距離÷時間で求められますね。

AB間の距離は
2m-0.5m=1.5m

AB間にかかる時間は
2s-1s=1s

というわけで速さは
(2-0.5)/(2-1)=1.5/1=1.5m/s

同様に、AB間じゃなくてもどこでも求めることができます。

青のグラフはx= (1/2) t2なので
t秒後には{ (1/2) t2}[m]まで進むと計算できます。

じゃあ(t+h)秒後だったら?
{ (1/2) (t+h)2}[m]ですね。

なんかややこしくなったけどやってることは同じです。

t~t+h秒の間に
{ (1/2) t2}~{ (1/2) (t+h)2}[m]まで進むということです。

↑式で見ると難しそうに見えるけど
「1~2秒の間に0.5m地点~2m地点まで進む」と同じことを言ってるよ!

速さは距離÷時間なので
t~t+h秒間での速さvは

こうなりますね(難しく見えるけど分子が距離で分母が時間、これを整理しただけ!)。

「t~t+h秒」が「1~2秒」の間の場合は
t=1
t+h=2
ということなので(h=1ですね)

速さ= (1/2) (2t+h)
= (1/2) (2×1+1)
=3/2
=1.5m/s
ちゃんとさっきと同じ答えになりましたね!

この式を使えばどの時刻での速さも求められるのです!

ここで、さっきやった「微分」を思い出してください。
「BをAまでどんどん近づける」と言いましたね。
hはここで言うA~Bまでの時間の差に対応しています。
つまり、さっきの式のhを限りなく0に近付けていくのです。

この操作を次のように表します。

limはlimitの略で、極限といいます。
hを極限まで0に近付けていったらどうなるかな?というのを表しています。
hが0になったらこのようにtだけになっちゃいますね。

というわけでこのtが「時刻t [s] での微分係数」であり、「時刻t[s]での接線の傾き」であり、「時刻t[s]での瞬間の速さ」というわけです。

時刻tでの瞬間の速さv=t

つまり時刻1[s]での瞬間の速さは1[m/s]というわけです。
さっきのオレンジの直線(青いグラフの1[s]での接線)を見てください。
傾きが1になってますね!
そういうことです!

ここまでややこしい計算をしてきたけれど、これによって微分係数=接線の傾き=瞬間の速さを求めることができましたね。
お疲れさまでした!

この一連の計算が「微分」です。
BをAに極限まで近付けていって接線の傾きを求める、これが微分です。

距離xを時間tで微分するとこうなるわけです↓

$$x=\frac{1}{2}t^2  →  x’=t                                                    $$

「’」は「微分するよ」ということを表しています。
微分した結果、tになったということです。
xを微分して求めたのは速さvなので

x’=t=v

ということです。
さて、これで瞬間の速さをどの時刻tでも求めることができるようになりました。

1秒後なら1m/s
2秒後なら2m/sですね。
3秒後ならもちろん3m/s。

1秒おきに1m/sずつ速くなってますね!
つまり、この加速度は1m/s2です。

つまり
x= (1/2) t2での加速度が1m/s2なのです。

加速度はaccerelationの頭文字をとってaで表します。加速度aを含む式にすると

x= (1/2) at2

これならa=1m/s2の時に
x= (1/2) t2になりますよね。

というわけで距離xと加速度aと時間tの関係式はこのようになります。

$$x=\frac{1}{2}at^2                                                      $$

例えば加速度a=4m/s2なら
x= (1/2) at2=2t2

下のグラフを見てください。
a=1m/s2 が下の青のグラフ x= (1/2) t2
a=4m/s2 が赤のグラフ x=2t2 です。

このように、加速度が大きくなるほど速さの増え方が急になることがグラフからも分かりますね。

というわけで、速さや加速度と微分の関係についてでした。

それでは今回はここまで!

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