シュレディンガーの猫って何?

当サイトの内容は説明を簡単にするために意図的に正確ではない表現を使うことがあります。また、専門家ではないので単純に間違っている可能性もあります。あくまでイメージをつかむ程度に活用してください。

量子力学の不思議な世界へようこそ!
今回はシュレディンガーの猫についてです。

猫!?かわいいね!

猫を箱に入れて毒殺する話ですよ~。

ひどすぎる

まぁ思考実験なのであまり気にせず…
猫の代わりに舞花さんでもいいんですよ?

サイコパスだよこの人…


「シュレディンガーの猫」は量子力学の不可解さを表す分かりやすい思考実験です。
最終的にシュレディンガーの猫にたどり着くように解説していきますね。

身の回りの物体や天体の運動は、運動方程式F=maのようなニュートン力学で説明することができます。
ところが電子のようなミクロな世界になってくると、このようなニュートン力学では説明できないような現象が起こります。
そのようなミクロな世界の力学を説明するものとして「量子力学」が現れました。
量子力学に対して、ニュートン力学のようなそれまでの力学を「古典力学」といいます。

ニュートン力学は古い理論で、量子力学が最新の理論ってこと?

量子力学は古典力学では説明できないミクロな世界を説明するものであって、古典力学が古くて間違っているわけではないですよ。
日常的なマクロの世界は古典力学で説明できます。

どっちも大事ってことね!

例えば以下のような装置を用意しましょう。
ボタンを押すとピストルから弾が発射されるようになっています。
ここで、軽いボールと重いボールを用意します。
ある高さから重いボールをボタンの上に落とすと、ボタンがONになって発砲します。
ところが、同じ高さから軽いボールを落としても、ボタンをONにするだけのエネルギーが足りなくて発砲しません。

自由落下のエネルギーはE=mghで計算できます。
重力加速度gは一定、高さhもここでは一定にします。
よってエネルギーEはボールの質量mに依存します。
軽いボールならエネルギーは小さく、重いボールならエネルギーは大きくなりますね。

今、ボタンをONにするためのエネルギーが軽いボールでは足りず、重いボールでは十分です。

さて、このボールを1時間に1回ずつ落とすとします。
この場合、重いボールを落とせば必ず一回目で発砲するはずです。

逆に、軽いボールは何回落としても発砲しませんね。
つまり何時間たっても絶対に発砲しません。
古典力学で考えれば当然そうなるし、それが正しいはずです。

ところが、原子のようなミクロな世界だとおかしなことが起こります。
「軽いボールを落とすと10%の確率で発砲する」みたいなことが起こるんです。

エネルギーが足りていないはずなのに何故かたまに発砲してしまうのです。
これは古典力学では説明できない意味不明な現象です。
(詳しくは「トンネル効果」で調べてみてください)

では5時間後には発砲しているでしょうか?
1時間につき10%の確率で発砲するんだから、5時間後に発砲していない確率は(9/10)5=0.59049、約59%です。逆に言えば約41%の確率で発砲しています。
さて、実際に発砲しているでしょうか。
それは実際に見てみないと分かりません。
実際に観測するまでは、発砲している確率41%と発砲していない確率59%の重ね合わせでしか表すことができないんです。

古典力学の立場で言えばそれはおかしいんですね。
古典力学では、初期条件を代入してあげれば5時間後に発砲してるかしてないか計算で求めることができるはずです。
今回の例では、エネルギーが足りていないなら5時間後だろうと絶対に発砲していないはずですよね。

ここからは実際の話です。

実際に古典力学に従わないものとして、放射性物質があります。
崩壊を起こすのに十分なエネルギーを持っていないのに、何故かある確率で崩壊して放射線を発射してしまうんです。
放射性物質が崩壊して放射線が出るかどうかは、確率でしか求まりません。
古典力学のように、「〇時間後に必ず崩壊する」と決めることができないんです。

例えば、1時間の間に10%の確率で崩壊して放射線を出すと放射性物質があるとします。
さて、5時間経ちました。放射性物質はどうなっていますか?
分かりません。
観測してはじめて崩壊したかどうかわかります。
この放射性物質の5時間後の状態は、観測する前は、崩壊している状態41%と崩壊していない状態59%の重ね合わせでしか記述できません。

崩壊したかしてないか、1か0かしかないはずなのに、0.5ですよみたいなこと言っているんです。なんかおかしいですね?

さてここでいよいよ、かの有名な思考実験です。

箱を用意して、その中に放射性物質を入れます。放射線を感知して毒ガスを発生させる装置も入れます。そして生きている猫を入れます。

さて、5時間後の猫はどうなっているでしょうか?
古典力学で考えれば放射性物質が崩壊するためのエネルギーが足りてないんだから猫は100%生きていると確定できるはずです。
でもこの放射性物質は1時間に10%の確率で崩壊します。
それを認めるならば5時間後の猫は生きている確率59%、死んでいる確率41%ですね。

実際に生きているか死んでいるかは計算では絶対に求まらなくて、実際に見てみるまで確定しないんです。

この実験を一回やって、5時間後に生きてたとしたら生きている確率が100%ですが、もう一回やってみると今度は死んでたりするわけです。そうすると50%になってしまいます。

この実験を繰り返していくと、生きている確率59%、死んでいる確率41%に近づいていきます。

猫をむやみに殺さないで

頭の中で猫を何匹殺しても罪には問われないんですよ。
さて、実際に確認すれば猫の生死がわかるけど、確認しなかったら猫はどういう状態になっていますか?

生きてるか死んでるか、どっちかだね

そうですね、つまり生きてるか死んでるか決まってないんです。
計算上は、箱の中の猫は生きている状態と死んでいる状態の重ね合わせになっているわけです。

何言ってるの…?
観測にかかわらず猫の生死はすでに決まってるはずだよね?

決まってるというのは、何をもってそう言えるのでしょうか。計算で求まらない以上、見るまで決まってないともいえるんじゃないですかね。

違うじゃん。
見て死んでたとしても、その瞬間に死んだんじゃなくてそれまでのどこかの時点で死んだんだよね?

見たからその瞬間に過去が決まったんですよ。
観測するまでは過去も不確定です。

頭バグってない?

舞花さんには言われたくないですね。

なんでだし!

実験開始から1時間後に生きている確率は90%ですよね。確率は高いとはいえ不確定です。
ところが5時間後に見て生きてたら1時間後時点でも生きてたことが確定してしまいますよね。
つまり不確定の過去を未来の観測が確定に変えてしまったわけです。

えぇ??
観測の結果が過去を改変してるってこと?
まるでSFだよ…これで一本書けるね。

途中で覗き見してみればいいんじゃない?
実験開始から1時間後にこっそり箱の中を見て、その時に猫が死んでたら1時間以内に死んだってわかる。

それだと5時間後の猫は100%の確率で死んでますね。生きている確率は0%です。悲しい…

でもさっき5時間後に猫が生きている確率は59%だって…

そうですね。
途中で覗き見したせいで結果が変わっちゃいましたね。

んにゃ!?!?

そんなことあっていいの?
物理法則のパラメーターに人の意思が絡んじゃってるじゃない。

覗き見するかどうかで世界線が分岐するみたいな…?
これじゃほんとにSFだよ…

そうですよ。物理的におかしいんです。
「放射性物質が崩壊しているかどうかは観測でしか決まらない」というのは、そういう違和感を含んでいるわけです。
まるで神様の気分次第です。

神はサイコロをふらない

アインシュタイン先生の言葉ですね。
なんでそこだけ知ってるんですか…

フフン(意味はよく分かってない)

シュレディンガー先生がこういった計算結果を出したときに、このような「シュレディンガーの猫」の例を出してこれは何かがおかしいんじゃないかってことになったわけです。
きっとまだ未知のパラメーターがあるはずで、それが分かればちゃんと計算で結果が求まるはずと考えたのがアインシュタイン先生で、「神はサイコロをふらない」って言ったわけですね。

てかそもそも放射性物質が崩壊するかどうかが確率でしか求まらないのはなんで?
そこがまずおかしいんじゃないの?

それが量子力学のキモですよ。
話すと長くなるので覚悟してくださいね♪

あっ…

とにかく、ミクロな世界ではこういう不思議なことが起こるんです。
本来は量子力学を否定するための例えだったはずが、今では量子力学の不思議さを分かりやすく説明するために使われている、それがシュレディンガーの猫というわけですね。

実際の電子のようにミクロな存在は、観測するまで状態が確定しないんです。
あくまで確率でしか表せないんですね。

う~ん、なんだか納得いかない…


続きはまた次回~

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